『あいうべ体操でお口まわりのトレーニング』

こんにちは。歯科医師の進(しん)です。

今回は、お口の周りの筋肉をきたえる体操、「あいうべ体操」をご紹介したいと思います。

この体操は、福岡県のみらいクリニックの今井一彰先生が考案なさったもので、口呼吸を鼻呼吸に改善するための体操です。

無意識に口を開けている、口の中がよく乾く、寝起きに喉がひりひりしたり、口臭を感じたりする、といったことに心当たりがある方は口呼吸になっている可能性があります。

口呼吸のデメリットとして、・口腔内が乾燥し、唾液の量が減ることで虫歯や歯周病のリスクが上がる・口腔内の乾燥により細菌が繁殖しやすくなることで口臭がしやすくなる・ウイルスや細菌が直接気管に入ることで感染リスクが上がる・口周りの筋肉が弱いために口元が老けた印象になる・口が開いたままになることで筋肉のバランスが崩れ、歯並びが悪くなる原因になる・酸素の取り込みが減少することで集中力の低下、代謝の低下を招く・口を開けたまま寝ることで下顎や舌が下がり、気道を圧迫することで睡眠時無呼吸症候群のリスクが上がるなどがあります。

一方で、鼻呼吸では・吸った空気を加温・加湿できる・鼻粘膜、鼻毛には空気中に含まれるウイルス、細菌、花粉などの異物を除去できるフィルター効果があるといったメリットがあります。

ということは・・・ぜひとも口呼吸ではなく鼻呼吸にしたいですね!そこで、「あいうべ体操」の出番です。あいうべ体操のやり方は、とてもシンプル。下記の4つの動作を繰り返すだけです。声は出しても出さなくても大丈夫です。

(1)「あー」と口を大きく開く(ふだんより大きめに)

(2)「いー」と口を大きく横に広げる(首に筋が出るくらいまで)

(3)「うー」と口を強く前に突き出す(しっかりと突き出す)

(4)「べー」と舌を突き出して下に伸ばす(顎の先をなめるイメージで)

これを1セットとし、1日30セットを目安に行うことが推奨されています。顎関節症の方や顎を開けると痛む場合は回数を減らすか、顎関節に負担のかからない「いー」「うー」のみをくりかえすとよいです。この運動は顔の筋肉を大きく動かすため、筋肉が疲れすぎないように一度に30セットではなく、2、3回に分けて行うのがおすすめです。

お風呂で、テレビを見ながら、動画を見ながら、などいつでもできるのも利点です。また、お口まわりの筋肉を鍛えることでアンチエイジングも期待できます!

健康な生活を送るための一助として取り入れてみてはいかがでしょうか?