
お子様の歯を守るために、毎日の歯磨き習慣は欠かせません。
しかし、歯磨き粉の種類は様々で、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
特に、フッ素濃度の違いに戸惑う方は多く、年齢や歯の成長度合いに合わせて選択する難しさを実感する保護者の方から相談を受けることも増えました。
今回は、お子様の年齢に合わせた最適なフッ素濃度について解説します。
お子様の歯を虫歯から守り、健やかな成長をサポートするためのヒントとしてお役立てください。
■6ヶ月(歯の萌出)~2歳:500ppm
500ppmのフッ素濃度は、一般的に乳幼児期のお子様向けの歯磨き粉に多く用いられます。
乳幼児は歯磨き粉を飲み込んでしまう可能性が高いため、低濃度のフッ素を選ぶことでフッ素の摂取量を制限できます。
乳歯は永久歯と比べてエナメル質が薄く、虫歯になりやすいものです。
500ppmのフッ素は、このデリケートな時期の歯を優しく守って健康な永久歯へと導くサポートをしてくれます。
また、歯磨きを始めたばかりの頃やうがいができない頃は、泡立ちが少ない歯磨き粉にするとよいでしょう。
お子様が嫌がらない、甘いフレーバーやフルーツ味の歯磨き粉もおすすめです。
■3歳~5歳:1,000ppm
3歳~5歳頃には、1,000ppmの歯磨き粉も使って問題ありません。
特に泡タイプまたはフッ素の種類がMFPであれば、1,000ppmにしてよいでしょう。
反対に、それ以外の歯磨き粉であれば従来通り500ppmの歯磨き粉にするのもおすすめです。
歯の表面が酸によって溶けてしまっても、歯磨き粉中に含まれるフッ素がカルシウムと結合し、再び歯を強くしてくれます。
歯の神経への刺激を抑制し、虫歯の進行を遅らせる効果も期待できるのがポイントです。
予防と虫歯の進行防止、どちらにもバランスよく効果があるフッ素濃度といえるでしょう。
■6歳~14歳:1,000~1,500ppm
1,500ppmの歯磨き粉になると、歯の表面を強化し、酸による侵食から歯を守る効果が高まります。
特に歯の根元はエナメル質が薄く、虫歯になりやすいため、高濃度のフッ素で保護する必要があるので注意しましょう。
また、矯正治療中は歯が動いて虫歯になりやすいので、高濃度のフッ素で歯を守ることが大切です。
歯の汚れを落とす研磨剤や口臭予防成分などが含まれているものもあるので、歯科医師と相談しながら歯磨き粉を選ぶのがおすすめ。
味は好みで選ぶことができますが、お子様の場合、刺激が強すぎないものを選ぶと良いでしょう。
■15歳以上:1,500ppm
15歳以上になると、大人とほぼ同じ歯磨き粉で問題ありません。
1,500ppm以上あると、歯磨き粉が歯の再石灰化を促進してくれる他、象牙質の耐酸性を強めてくれるので虫歯予防に効果的です。
歯科医院で処方される高濃度フッ素洗口液など、より高濃度のフッ素製品もあるので、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。
虫歯リスクが高い方や矯正治療中の方など、特に高い虫歯予防効果を求める方に向いています。
■子ども用歯磨き粉のフッ素濃度に関する「よくある質問」
最後に、子ども用歯磨き粉のフッ素濃度に関する「よくある質問」を紹介します。
気になる項目がある方はご参考ください。
・フッ素濃度が高いと体に悪いって本当?
高濃度のフッ素を大量に摂取すると、歯に斑点ができたり骨に影響を与えたりする可能性がありますが、市販されている歯磨き粉などを一般的な頻度で使う分にはほぼ問題ありません。
適切な量であれば安全性は高いとされており、どうしても気になるときは歯科医師に相談するのがおすすめです。
・市販の子供用歯磨き粉はどれを選べばいいの?
市販の子供用歯磨き粉には様々な種類があります。
フッ素濃度だけでなく、対象年齢や成分なども参考にしながら選ぶのが理想です。
また、お子様が好きな味·キャラクターのあるものを選んで、歯磨きの時間を楽しむことも効果的です。
■まとめ
お子様の歯の健康を守るためには、適切なフッ素濃度の歯磨き粉を選ぶことが大切です。
歯科医師に相談し、お子様に合った歯磨き粉を選び、正しい歯磨き習慣を身につけさせましょう。
盛岡市の当院高橋衛歯科医院では、お子様の歯の健康維持に力を入れています。
ぜひご相談ください。