歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま進行する恐ろしい病気として知られています。
歯ぐきの腫れ・出血・口臭などのサインが現れたときには、すでに歯周組織が大きくダメージを受けていることも少なくありません。
だからこそ、痛みがないから大丈夫だと思って放置してしまうのは禁物です。
歯周病の怖さや健康を維持する方法を解説します。
歯周病が“沈黙の病気”と呼ばれるのはなぜ？
歯周病が沈黙の病気と呼ばれる理由として、初期の段階ではほとんど自覚症状がないことが挙げられます。
歯ぐきの炎症が少しずつ進行しても痛みや強い不快感が現れにくく、本人が気づかないまま病気が進んでしまうことが多いのです。
また、軽い歯ぐきの腫れや出血があっても日常生活に大きな支障がないため、「そのうち歯医者に行けばいいや」「今日から特にしっかりと歯磨きすれば大丈夫だろう」と見過ごされやすいこともポイント。
自覚症状が少ないうちに進行してしまう点が、沈黙の病気と呼ばれる理由です。
歯周病が怖い理由
歯周病は、痛みがほとんどなく静かに進行するため、自分は大丈夫だと思ってしまいがちです。
しかし、ふと気づいたときには歯ぐきが下がっていたり、歯がぐらついていたりして驚くことになってしまう可能性もあります。
ここからは歯周病がなぜ怖いのか、どのようなリスクがあるのかをわかりやすく解説していきます。
歯を失うリスクがある
歯周病が進行すると、歯ぐきだけでなく歯を支える骨や歯根膜が破壊され、最終的には歯を失うこともあり得ます。
歯がなくなると見た目に影響するだけでなく、義歯の作成やインプラントなど負担が大きくなるので注意しましょう。
体調的にも金銭的にも負担が増し、「こんなはずではなかった」と後悔する原因になりかねません。
咀嚼・発音・見た目に影響する
歯周病が進行すると歯ぐきや歯を支える骨が弱くなり、歯がぐらついたり抜けたりすることがあります。
食べ物をしっかり噛むことが難しくなり、咀嚼機能が低下して消化不良や栄養バランスの乱れにつながることもあるので警戒しましょう。
また、歯の位置や形が変わることで発音に影響が出ることもあり、特に「さ行」「た行」「か行」の発音が不明瞭になりやすいので要注意です。
見た目の印象にも大きく影響し、自信を失って思い切り笑えなくなってしまうこともあるでしょう。
口腔内だけでなく全身にも影響する
歯周病菌や炎症性物質が血流に入り込むと、糖尿病・心疾患・脳梗塞などのリスクが高まります。
また、早産や低体重児出産のリスクと関連することも報告されているので、市区町村で発行できる妊婦歯科検診などの制度も使って歯科医師と相談しておきましょう。
歯周病は単なる口腔内の病気ではなく、全身の健康に影響する重大な疾患です。
定期的な歯科検診や日々のブラッシングを意識し、早期に予防・管理することが大切です。
基本的に自然治癒しない
歯周病は、基本的に自然に治ることはありません。
初期の歯肉炎であれば正しいブラッシングや生活習慣の改善で炎症を抑えられる場合がありますが、歯周組織や骨が破壊され始めると自然に元に戻ることはほぼないので注意しましょう。
一方、歯科医院であれば、歯周ポケットの清掃やスケーリングなど専門的な治療ができます。
「痛みがないから大丈夫」と考えず、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
歯周病はホームケアと定期的な検診で防ぐ！
歯周病は自覚症状が少ない「沈黙の病気」ですが、日々のホームケアと定期的な歯科検診を組み合わせることで予防・進行抑制が可能です。
- 正しいブラッシングを習慣にする
- デンタルフロスや歯間ブラシで歯の隙間をケアする
- 定期的な歯科検診で早期発見できるようにする
また、喫煙・不規則な食生活・ストレスなども歯周病を進行させる要因です。
規則正しい生活や栄養バランスの良い食事を心がけることも、予防の一助となります。
まとめ
歯周病は初期にはほとんど自覚症状がなく、静かに進行する沈黙の病気です。
口腔内だけでなく糖尿病や心疾患など、全身の健康に影響することもあるので、決して軽く見ることなく早期発見・早期治療に努めましょう。
小さなサインを見逃さず、早めに対策を取ることが、健康な歯と快適な生活を守る第一歩となります。
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