インプラント治療ができない理由とその対処法を徹底解説

目次

高橋衛歯科医院です。
「インプラントを受けたいけれど、自分は治療を受けられるのだろうか」と不安に思ったことはありませんか。
インプラントは誰にでもできるわけではなく、いくつかの条件によっては適応外になることがあります。
今回は、インプラント治療が難しい主な理由とその対処法、骨が足りない場合の治療法までを網羅的に紹介します。
治療前に知っておくことで、リスクの回避や治療計画の立て直しが可能になります。
結論としては「インプラントが難しくても、他の選択肢や準備をすることで治療が可能になるケースが多い」ということです。

 

インプラントができないケースとは

インプラントは見た目や機能性に優れた治療法ですが、すべての方が適応になるわけではありません。
骨密度や持病の有無、口腔内の健康状態などが大きく関係します。
特に高齢の方や全身疾患を抱える方の場合、事前の精密な診断が必要不可欠です。
まずは、どのような条件の方がインプラントに適応しない可能性があるのかを把握しておきましょう。
下記に該当する場合、治療を一時中断したり、別の選択肢を検討することがあります。

  • 骨粗しょう症などで骨密度が低い
  • 重度の歯周病や虫歯がある
  • 糖尿病や腎疾患などの全身疾患がある
  • 妊娠中や未成年で成長期が終わっていない
  • 喫煙やメンテナンスを継続できないライフスタイル

 

持病があるときの注意点

糖尿病や高血圧、腎疾患などの全身疾患がある場合、インプラントの成功率に影響を及ぼすことがあります。
特に糖尿病の方は、術後の治癒力が低下し、インプラント周囲炎などの感染リスクが高くなります。
血液透析を受けている方も、骨が弱く免疫力が低いため、基本的にはインプラントは適応外とされます。
ただし、これらの病気がコントロールされていれば、インプラントが可能になる場合もあります。
医師と連携を取りながら、事前に全身状態を安定させることが大切です。

  • 糖尿病がある場合は血糖値を安定させること
  • 高血圧は降圧剤などでコントロールできる状態が前提
  • 腎疾患がある方は内科医との連携が必要
  • 持病の管理が不十分な場合は他の治療法を検討

 

口腔内環境が悪い場合の対処法

歯周病や虫歯が進行している場合は、まずはその治療を優先しなければなりません。
なぜなら、炎症がある状態でインプラントを行うと、術後のトラブルや脱落のリスクが高くなるからです。
また、清掃不良が続くとインプラント周囲炎を起こし、最悪の場合インプラントが失われることもあります。
口腔内の健康はインプラントの長期的な成功に直結します。
治療を受ける前に、歯科衛生士によるクリーニングやセルフケアの改善が必要です。

 

生活習慣が原因でできないケースもある

喫煙は血流を悪化させ、骨との結合を妨げるためインプラント治療に大きな悪影響を与えます。
また、定期的な通院ができない方や、麻酔を強く拒否される方も治療が難しい傾向にあります。
インプラントは手術後のメンテナンスも含めて長期管理が必要なため、継続的に通院できることが前提です。
妊娠中の方も体調や胎児への影響を考慮し、基本的には出産後に治療を行うのが望ましいです。
日常生活の習慣や価値観も、インプラント適応に関わってきます。

 

骨が足りないときのインプラント治療法

顎の骨が少ないからといって、必ずしもインプラントを諦める必要はありません。
近年では骨造成技術が進化し、骨の量が少ない方にも対応できる治療法が増えています。
特に上顎の奥歯などは骨が薄いケースが多いため、以下のような方法が有効です。

  • サイナスリフト:上顎洞を持ち上げて骨を増やす方法
  • ソケットリフト:比較的少ない骨量の部位に行う方法
  • GBR(骨再生誘導法):人工膜で骨の再生を促す方法
  • スプリットクレスト:骨の幅が狭い場所に骨を広げる処置

それぞれの症例に応じて最適な治療法を選択する必要があります。
骨造成が必要な場合は治療期間や費用も変わるため、事前にしっかりと説明を受けておきましょう。

 

まとめ

インプラント治療は医療技術が必要であり、誰でも受けられるわけではありません。
持病や生活習慣、口腔内の状態などによって適応が制限されることがありますが、多くの場合は事前の対応や代替治療で対処可能です。
骨が足りない場合でも、さまざまな骨造成法によってインプラントができる可能性があります。
まずは自身の状況を正確に把握し、信頼できる歯科医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

高橋 衛 | Takahashi mamoru
岩手医科大学歯学部卒業後、岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座入局し、
医療法人 高橋衛歯科医院設立 理事長就任、MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS 開設

 

【所属】
日本歯科医師会
岩手県歯科医師会
盛岡市歯科医師会
歯科医師臨床研修指導歯科医
岩手県保険医協会
日本口腔外科学会
日本口腔インプラント学会
EUROPEAN ASSOCIATION FOR OSSEOINTEGRATION
AMERICAN ACADEMY PERIODONTOLOGY
岩手医科大学歯学会
デンタルコンセプト21  会員
日本歯科東洋医学会
JIADS Club  会員
P.G.I Club 会員
スピード矯正研究会  会員
床矯正研究会 会員
近代口腔科学研究会 会員


【略歴】
岩手医科大学歯学部 卒業
岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座 入局
「高橋衛歯科医院」 開業
「MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS」 開業

 

岩手県盛岡市の歯医者・歯科
高橋衛歯科医院
住所:岩手県盛岡市北天昌寺町7−10
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