盛岡市の高橋衞歯科医院、院長の高橋衞です。
「フィットネスクラブ」と聞くと、軽いストレッチや運動をするスポーツクラブをイメージする方が多いと思います。
運動機能の課題を改善する「リハビリテーション」や、スポーツ成績を上げるための「トレーニング」とは別の考え方であり、普段の運動不足を解消しながら健康の維持・増進に努める手法として定着しています。
実は、歯科の領域でも「デンタルフィットネスクラブ」という考え方が広まりつつあります。
本記事では「デンタルフィットネスクラブ」について解説していきます。
■デンタルフィットネスクラブとは
デンタルフィットネスクラブとは、赤ちゃんから大人まで老若男女全ての人を対象とした「予防歯科」のことです。
通常のフィットネスクラブと同じく健康維持・増進に努める手法であり、すでに虫歯・歯周病など課題がある人におこなう「治療」とは一線を画すやり方として定着しました。
具体的には、今後虫歯・歯周病が発生しないよう、定期的な検査・ブラッシンググ指導・生活指導などを進めていきます。
■デンタルフィットネスクラブの会員になるメリット
デンタルフィットネスクラブで実施することは、一般的な予防歯科や定期健診と大きく変わりはありません。
ただし、デンタルフィットネスクラブの会員になることで以下のようなメリットを受けられます。
〇高頻度の通院でも保険適用となる
一般的な予防歯科で健康保険を適用する場合、3~4ヶ月に1回しか通院することができません。
一方、デンタルフィットネスクラブの会員になると1ヶ月に1回の通院でも保険適用の対象となるため、コストパフォーマンスよく徹底した予防歯科ができるようになります。
保険を適用できれば一部負担金は3,000円~4,000円前後にまで縮小できるため、こまめに通っても金銭的なデメリットが生じません。
一般的な歯科治療にかかるトータルコストより安く抑えられるだけでなく、虫歯・歯周病にかかった場合の痛みや審美的なダメージからも歯を守ることが可能です。
〇フッ素塗布にも保険を適用できる
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯の発生を予防する効果があります。
酸によるエナメル質の溶解を防いでくれる他、歯の再石灰化を促進して初期の虫歯ができても進行を大幅に遅らせることができるのです。
予防歯科では定期的にフッ素を塗布することがありますが、デンタルフィットネスクラブの会員であればこれにも保険が適用できます。
特に歯のバリア機能が少ない小さなお子様や、年齢とともに唾液による自浄作用効果が低くなりつつある高齢者にはおすすめです。
■デンタルフィットネスクラブで実施すること
デンタルフィットネスクラブでは、以下のようなことを実施します。
・虫歯予防
・歯周病予防
・歯肉炎予防
・口臭予防
・歯列矯正相談
・食事指導
・ブラッシング指導
・PMTC(プロフェッショナルクリーニング)
・フッ素塗布
上記のような取り組みは、「8020運動」でも推奨されています。
「8020運動」とは、80歳の段階で自分の歯を20本以上残そうとする取り組みです。
天然歯をなくせば義歯にすればよいという考え方もありますが、メンテナンス・通院・金銭の負担が大きくなること、義歯が合わないと咀嚼力・発声・噛み合わせに影響して認知症リスクが上がることなどが懸念されています。
将来のリスクをコツコツ払拭するという意味でも、デンタルフィットネスクラブは大きな効果があるのです。
■まとめ
デンタルフィットネスクラブは、通常のフィットネスクラブ会員になるような手軽さで参加できるのも魅力です。
盛岡市にある当院も「かかりつけ歯科機能強化型歯科診療所」として認定されており、デンタルフィットネスクラブの会員になることができるためお気軽にご相談ください。