歯科医院を初めて受診する時,「今までにかかったことのある病気」「今かかっている病気」について必ず聞かれます。なぜでしょうか??
近年,お口の病気と糖尿病,心血管疾患,慢性腎臓病,がん,認知症など多くの全身疾患が関連していることが知られるようになってきました.
最近の論文では28個もの病気が関連しているとの報告があります.そのため,全身的な病気を把握することは安全で適切な歯科治療を提供するために非常に重要になります.
主なポイントは以下の3つにまとめられます.
1,歯科治療における安全管理 例えば,心臓に病気のある方では治療に使う麻酔薬に含まれる血管収縮薬の影響による血圧の上昇や不整脈の恐れがあります.そのため,適切な麻酔薬の選択や,必要に応じた生体情報モニターの装着などの対策を行います.また,糖尿病がある方では低血糖発作,感染しやすく炎症が長引きやすいことなどに注意して歯科治療を行います.このように,全身の病気を把握することで個々の患者様に合った治療方法や対策を検討することができます.
2.飲んでいるお薬の把握 お医者さんから処方されている内服薬は歯科治療に直接影響を与えることがあります.脳梗塞や心臓病の治療に使われる血液をサラサラにする薬,高脂血症の治療に使われることがある抗血小板薬,関節リウマチに使われる免疫抑制剤やステロイド剤,骨粗しょう症の治療で使われるビスホスフォネート剤など,治療の時に注意する必要のある薬はたくさんあります.また,治療時にお薬をお出しする必要がある場合,併用して大丈夫かどうかを確認する必要があります.そのため,お薬について把握することはとても重要です.初診時だけでなく,飲むお薬が変わった時もお知らせください.お薬手帳が強い味方になりますのでぜひご提示の協力をお願いします.
3.医科歯科連携による身体の状態の改善 糖尿病と歯周病の関係(歯周ポケットから炎症に関連した物質が血管を通して全身に送られることで血糖値を下げるインスリンを効きにくくするなど)のように全身の病気がお口の病気と相互に影響していることがあります.そのため,必要がある場合には医科の先生と情報連携をすることで全身の病状のコントロールをすることが可能になります.
私たちは安心して治療を受けていただけるように,お口と身体の状態を確認しつつ診療を行っています.治療からメンテナンスまでを継続することで,お口の中と全身の両方の健康を保ち,しっかり食べて,これからやってくる寒い冬を乗り切りましょう!!
歯科医師 進 千春
『歯科医院で全身の病気について聞かれるのはなぜ?』
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