高橋衛歯科医院です。
本日は咀嚼の重要な役割についてお話しします。
咀嚼は食べ物を細かくするだけでなく、他の機能も持っています。
咀嚼は私たちの健康にとって様々な意味で重要です。以下、1つずつ、それぞれについて深く掘り下げていきましょう。
1. 食べ物を飲み込みやすいように
食べ物は口の奥に運ばれ、奥歯ですりつぶす様に細かく砕かれます。これを咀嚼といいます。一方、前歯は食べ物を一口大にちぎる役割を担っています。
正しく噛むためには、前歯と奥歯の両方が必要なのです。前歯が食べ物を細かくすることができなければ、咀嚼に時間がかかってしまいます。歯全体で役割分担して食べ物をできるだけ細かくし、飲み込みやすくしているのです。
2. 消化・吸収の促進
咀嚼は、食べ物の粒を小さくすることに加えて、顎の部分の唾液の分泌を促します。唾液とともに咀嚼された食べ物は柔らかくなり、飲み込みやすくなって、のどを通りやすくなります。さらに、唾液には消化酵素が含まれており、消化を助けてくれます。
食べ物が正しく咀嚼されていないと、唾液が不足して食べたものを正しく飲み込めず、嚥下障害などのリスクも高まります。
食べ物を大きな塊で無理に飲み込むと、胃に負担がかかり、消化や栄養の吸収が難しくなります。
3. 会話を円滑にする
噛むことは、顎を動かすことになるので、自然と唇や頬、舌の筋肉が鍛えられます。食べ物を噛む力が低下すると、頬や口の筋肉があまり動かなくなり、会話がしづらくなります。
そのため、顔が硬くなり、笑顔が作れなくなります。顔の表情をコントロールする筋肉も弱くなるからです。咀嚼機能は、他者とのコミュニケーション能力にも影響を与えるのです。
4. 虫歯や歯周病になりにくくなる
噛むことでかなりの量の唾液が発生し、虫歯や歯周病の原因となる細菌を防ぐことができます。唾液には雑菌の繁殖を抑える化学物質が含まれているからです。
噛む回数が減ると、唾液の分泌量も減ってしまうので、歯周病や虫歯になる可能性が高くなります。
5. 成人病を予防する
食べ物をよく噛むという行為は、体に余計な脂肪をつけないという効果も期待できるかもしれません。ご存知のように、肥満は血中の糖分の増加や、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの原因になる可能性があります。
食事を始めると、脳が空腹でないことを認識するのに15分から20分ほどかかると言われています。
つまり、よく噛まずに急いで食べると、必要以上に食べてしまう可能性があるのです。食べ物をしっかり噛んで、時間をかけて食事をすると、食べる量をコントロールしやすくなります。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
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