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2019.04.04

『予防歯科の必要性について』

4月5日は二十四節気の清明です。
二十四節気は太陽の黄経を15度ずつで区切って24等分にして季節を把握する考え方で、去る3月21日の春分が黄経0度地点でしたので、清明は太陽黄経上15度の地点に位置するときです。
つまり清明は春分から数えて毎年15日目頃に迎える節気です。
清明とは「清浄明潔」の略で、万物が生き生きとしていて清らかだという意味です。

西日本から順々と桜が開花し始め、鳥のさえずりも聞こえるようになりますね。
空は清々しく青く澄み渡り、まさに清浄明潔といった様子です。
春分を境に昼夜の時間が逆転し、日照時間がどんどん長くなって、気温も上がり、一年の中でも過ごしやすいこの季節、大切に過ごされてみてはいかがでしょうか。

さて、そんなこの季節を大切に過ごすためには健康な身体づくりが必要です。

江戸時代の儒学者である貝原益軒によって著された「養生訓」は最も日本人に読まれた健康書でありまが、その「養生訓」には歯やお口の健康法についても記されています。

その中の一節には
『古人曰く「禍(わざわい)は口より出て、病は口より入る」』などと、前半部分は現代風に言うと『口は災いの元』といった意味のような、一概に健康法とは言えないようなことも記されていています。
後半部分は風邪などの流行病や食中毒などの病気が口から入ることを指しています。

また、『歯の病は胃火ののぼりなり』とも記されており、歯が胃腸の病と深い関係にあると言っています。
病の根源も、健康への第一歩も、どちらも口から入るということで、お口の健康がとても大切だということです。

東洋医学では『未病』という考え方があります。
未病とは、まだ病気にはなっていないが、このまま放っておくと病気になってしまう可能性がある、そういった病気の元が体内にある状態をいいます。
健康な方がいきなり病気になるのではなく、未病という段階を経てその後発症するのです。
温故知新、こういった昔の東洋人の病気に対する考え方が、現代になって見直される時がやってきています。

「病気になったら病院へ行く」
「痛くなったら病院へ行く」
といった従来の考え方がありますが、こういった対処療法的な考え方ですと根本的な解決にはなりません。

もちろん治療をして詰め物や被せ物、インプラントを入れれば失われた“歯の機能”は回復しますが、ご自身の“本当の永久歯”そのものは、一度失うと二度と生えてくることはありません。

日頃から予防処置(メインテナンス)を行い、未病のうちから健康なお口の環境作りをすることをお勧めします。

当院には6台の診療台がありますが、そのうちの2台は予防処置のための診療台として機能しています。
意外かと思われるかもしれませんが、毎日2台のユニットが歯科治療ではなく予防、クリーニングのための患者さんで朝から晩まで埋まっているのです。

これもひとえに、当院に受診された患者さん方に、予防歯科の必要性を充分に理解して頂いた結果だと思います。

これからも予防の必要性を皆さん患者さんに啓蒙して、予防の診療台が3台、4台と増えていく未来が来ることを願います。

楽しいお花見やレジャーのシーズンまでもう少しです。
お口から入る病気の元や、お口から出る災いの元に気を付けてお過ごし下さい。

歯科技工士 泉山でした。

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